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本当の原因はどこに?
「時間外労働を何とかしたい」の一言の裏には各会社さんのそれぞれの社風や事業が隠されている訳で、そこを理解した上で指導して行かないと良い結果は得られないのが現状である。
ある会社さんの例であるが、時間外労働について「届出制」にしたい、との相談を受けたケースがある。届出用紙の雛形などを提供するのは簡単なことであるが、現状を聞かせて頂くと本当の問題は仕事に対する配置に問題があったようである。
データ入力をしている部署の一部の者のみが時間外労働が極めて目立っていたケースで、ある特定の者の入力ミスが多いのが原因で、その後のチェック、修正に時間を要し、結果、通常であれば定刻で終わる量のデータ入力が時間外労働になっていた事が判明した。
簡単に書いてしまっているが、ここまで至るには外部の人間である社会保険労務士が現場に入り込んで「何故?」「どうして?」を繰り返した訳で、その当時は相当「面倒くさい奴」と思われていたかもしれない。
結論としては、幸いにもある程度の規模であったため、配置転換ができたので事なきを得、「届出制」の導入も届出用紙も不要となりましたが、ここで感じたのは、適正を欠いた人材配置がどれだけの影響を及ぼしたかという事であった。
社会保険労務士は外部からの指導者という事で、中々各会社の実務の現場まで踏み込む機会は少ないのかもしれないが、経営者の一言からそこから派生する数々のケースを想定し、その一つ一つを確認したうえで具体的に指導し、結果を出す事が求められているように感じる。
こんな作業の中にも我々社会保険労務士と経営者、そしてその従業員との信頼関係が更に構築され、結果、その会社にとってより良い労使関係の確立が出来ていくことで、業績が上がって行く。その一部分をお手伝いできる事は社会保険労務士として喜びを感じる一時でもある。最近では社長の発する一言の奥深くを感じることにより気をつけるようになって来た。
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